第二弾『あかはな』

 作・竹田哲士 脚本/演出・大森博

東京近郊にある教会併設の児童施設が舞台。

そこに暮らす奏音(仙石みなみ)は実は 18 年前

施設に置き去りにされた子どもだった。本人に

事実は知らされることなく明るく成長し、高校卒業と同時に施設の卒業も 3 月に控えていた。

12 月クリスマス前。例年通りささやかながら

クリスマスパーティーの出し物である楽器演奏の練習に余念がない指導員たち。そんな折、一人の女性(蜷川みほ)が教会を訪ねて来る。 

女性は18 年前奏音を置き去りにした母親その人で

ある。事実を奏音に知られまいと必死に

隠そうとする神父(坂本あきら)や指導員たち。

時期を同じくして教会には市議会議員も足繁く

出入りするようになり・・・。彼らの狙いは奏音か施設か?血が繋がっていても我が子を虐待する親は世間にはたくさんいる。育てたくても育てられなかった事情を抱えた母もいる。その想いと後悔。

果たして子どもはその思いを受け止められるのか・・・。

キャスト全員の合奏でエンディングを迎えるラストシーンが心を打つ人情喜劇。